社長×学生対談シリーズ②「日本の食を下支えする専門商社というスペシャリスト集団」

社長×学生対談シリーズ②「日本の食を下支えする専門商社というスペシャリスト集団」


学生×社長(または経営幹部の方)との対談シリーズ

いわゆる「“意識高い系”学生」
元格付け会社出身の人たちでセレクトした「“関西の優良企業”の社長(または経営幹部の方)」との
対談を真面目に取材していきます。
会社を経営する上での会社の特徴や求める人物像などの情報がたくさん入っているので、
就活生のみなさんは参考にしてみてください。

第二弾は神戸の六甲アイランドで世界から食材を集めて日本の食品メーカーに届ける専門商社
「杉原産業株式会社」さんを取材してきました。

確かな品質・確かな情報

今回取材に行ったのは、食品専門商社だ。
1世紀にもわたる年月で会社を経営してこれたのは、この企業理念から窺えた。

門をたたくと、次期社長候補とされる杉原社長のご子息である執行役員・営業統括の杉原由高さんが出て来てくれた。

関西学院大学卒業で、元サッカー部員。
学生の頃はさぞかしモテたことだろうと思えるほど、甘いルックスをしていた。

我々は早速、質問を始めた。

―事業内容を教えていただけますか?

 杉原産業の事業は営業部を見れば簡単にわかります。営業部には第一営業部から第三営業部まであります。
 
 第一営業部は、雑豆を扱います。例えば、あずき、豌豆、そら豆などです。雑豆は大手煮豆メーカー等に販売して、商品としては最終的に煮豆などになります。
 
 次に、第二営業部ですが、ここは大豆を扱います。豆腐や味噌、醤油、納豆、きな粉といった製品を作る会社へ販売しています。簡単に言えば、第一営業部は大豆以外、第二営業部は大豆を扱っています。

 そして最後に第三営業部ですが、ここは鳥や豚や牛等の飼料を扱っています。基本的には、事業すべてメーカー様への販売となりますので、BtoBの事業となります。

 そして各営業部それぞれが仕入れから、販売までを行っています。
 商品の仕入れ先は、国内、海外の両方です。カナダやアメリカ、ブラジルなど様々な国から取引先のニーズに合わせて輸入しています。国内商品では「有機JAS」の認証を取ることができており、確かな品質を保つことができています。

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事業内容は杉原さんが仰ったように分かりやすいものであるが、仕入れ先が多種多様であるなど、一つ一つの部署内ですることはもう少し細かそうに思えた。実際に営業で行うことややりがいなどについても伺ってみた。

―営業の内容、また、やりがいはどのようなものですか?

 営業の内容として、例えば買付がありますね。私たちが扱う商材は先物です。つまり、先を見て、どれぐらいの仕入れが必要か、どのくらいの需要があるか、どのくらいの価格で購入するかを考えなければなりません。
 
 また、実際の価格が先物価格より、安くなってしまったときは取引先に納得のいく説明をしなければなりません。つまり、先を読む力、説明する力などが求められます。これは非常に難しいことではありますが、これこそがこの業界の営業の醍醐味です。
 
 他にも買付だけでなく、実際に現場に赴き、豆の品質を確かめたり、販売先へ訪問をしたり、と幅広い業務を行います。

―営業のテーマなどはありますか?

 前述のように、当社の営業は先を見据えて行動しなければなりません。このような場合、どうしても意見が分かれてしまいます。
 
 したがって、私は徹底的に現場での意見を尊重するようにしています。営業の人々に持って欲しい意識としては、「自分事で考える」です。
 
 これはどういうことかというと、例えば、取引先の中小企業の社長は購買のアウトソーシングをしていると考えられます。そのときに、当社の営業部員はその取引先を自社のように考え、価格や品質などの細かい部分まで配慮して営業を行わなければなりません。
 
 このような「自分事で考える」というテーマを持っているからこそ、現場の社員の意見を大事にしたいと考えています。

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営業の仕事は幅広く、また責任のある難しいものだということが分かる。しかし同時に、裁量権が与えられ、先を見通すような仕事は魅力的に見える。営業のテーマも素晴らしい。常に自分のことのように考えることにより、細かいところまで行き届く対応が可能になるのであろう。そして、そのような積み重ねが杉原産業を今まで成長させ続けてきたのだろう。

―競合の存在は?

 競合の存在は大きく考えると総合商社、そして、私達のような専門商社となります。
 同じ業界のシェアの大部分は総合商社が獲得します。そういう点では同じ業界にいるということで、総合商社も間接的に競合となります。

 しかし、直接の競合は同業の専門商社になります。私たちを含む専門商社が残ったパイ、つまり、総合商社が手を出せない小ロットの企業を取り合うことになります。

―その中で、どのような強みを持っていますか?あるいは差別化を行っていますか?

 強みは長年の営業による『信用力』ですね。

 当社は約一世紀の間、営業をし続けてきました。私たちの取引先は私たちと同じような長年続いている企業であることが多いです。
 豆を使用する伝統的な企業にとって、長期のお付き合いをしていることはそれだけで一つの信用を得ていると言えるでしょう。
 
 このような『信用力』は、私たちの一つの強みです。
 
 差別化については、仕入れの時に話したように取引のニーズに応えるようにしているということです。私たちは多品種、少量という効率の悪い方法を取っています。
 
 しかし、これは取引先の細かな要望に応えていくためには必要なことだと考えています。
 
 したがって、必然的に仕入れ先は多様化してしまいます。ただ、この戦略を取っている限り、取引先との関係は続いていくと思います。これが他社との差別化の一つです。
 
 そして、最後に「人」です。先ほど述べたように、個人の力が大きく影響する仕事がほとんどです。
したがって、現場の営業社員の力こそがそのまま当社の強みとなっています。

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―事業課題は?
 
 二つあります。

 一つ目は、売上構成比の低い第二営業部を伸ばしていくことです。第二営業部の売上は全体の20%程度です。
 しかし、これは業界の1%程度を占めているに過ぎません。
 今後も、大豆業界は健康食品ブームと共に成長を続けていくと考えられます。当社も第二営業部の売上を伸ばしていくことが課題となります。
 
 もう一つは、人材育成です。今までは新卒採用を行ってきていませんでした。
 しかし、今後は5、10年後を見据えて、各営業部に次の世代を育てていきたいと考えています。
 したがって、採用や人材育成には力を入れたいと思っています。

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―どういう会社になりたいですか?
 
 事業課題でも述べたように、今後も事業を拡大していきたいです。
 しかし、私たちの使命は、原料の販売を通して、厳しい状況に陥る伝統的な食品産業の存続に貢献することです。

 今後も杉原産業と共に、取引先の繁栄の一助になれるような企業になりたいですね。

「伝統産業に貢献したい」この言葉に杉原さんの熱い気持ちを感じた。そして、この言葉から分かるように「自分事で考える」は伝統産業の企業を自社のように考えるという杉原さん自身が体現しているように感じた。

―どのような人物が欲しいですか?
 
 営業の幅が広いため、オールラウンダー型の人材が合ってるかもしれませんね。

 しかし、今私たちが欲しい人材は、積極的で行動力を持った勢いのある人です。当社の営業はこれらの能力を持っている人にはぴったりと合っているでしょう。そのような人材に5、10年後の杉原産業を支えていけるように育って頂きたいですね。

 あと一つ忘れていましたが、運転免許は必須です。

―どのような人材育成を考えていますか?

 一年目は、フォークリフトの運転や選別作業、物流手配や入出荷などの受け渡し業務をできるようになってもらいます。

 二年目からは受け渡し業務50%、営業50%で考えています。営業に関してはノルマではないですが、金額目標を設けて、そこに向けて頑張っていくという形にします。各営業部の先輩がしっかりと指導をしてくれます。

 したがって、経験がなくても、上述の素質のある人材は是非入社していただきたいです。

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 <まとめ>
 杉原産業は約一世紀の間存続し続け、現在の売上も申し分ない優良企業である。杉原産業は現場の社員を尊重し、任せる。社員の負担は増えるが、やりがいを持って仕事ができるに違いない。

 現在では、このように現場に重きを置く企業は少なく感じる。長年存続する企業が、このような現場主義を取っていることは本当に素晴らしいと思う。

 さらに、杉原産業は自社の課題をしっかりと把握し、今から5年、10年先を見据えた対応も取る。それだけでも十分過ぎるが、杉原産業は自社だけでなく、関わる取引先の未来をも考えている。これは「自分事に考える」という杉原さんの哲学の表れだ。

 このように、現場を重んじ社員を大切にする、また常に自分事で考え、取引先も大事にする杉原産業はきっと成長し続けるだろう。

 杉原産業だけでなく、関わる伝統産業の今後の発展を心から願いたい。

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